寛解に向かう明日

生き残れ!統失サバイバーかなえの日記

小説

短編小説「花柄」2

くじらがまだ生きていてユキちゃんと私でチャットをしていたころ、ユキちゃんは心とは反対にどんどん男へと成長していく体に苛立ちと悲しみを覚えていた。 <ネットで女性ホルモン剤って買えるよね?> 唐突に聞いてきたユキちゃんに、私はパソコンの画面の…

短編小説「花柄」1

コーラルピンク、ピンクベージュ、アプリコットピンク。 似たような色の口紅がずらりと並ぶ売り場を見て、ユキちゃんはひどく驚いていた。私もあんまり詳しくはないけれど、とりあえずユキちゃんに似合いそうな色を比べ始める。ピンク系が良いというユキちゃ…