さみしい
さみしい
わたしはずっと今のまま家族で暮らしていきたいけど、それは出来ない。いつか晃ちゃんも施設に入る。ピッちゃんだって亡くなってしまう。わたしの大事な宝物、犬と弟はいなくなる。その時、わたしはどうなるだろう。宝物を奪われた世界で生きていけるだろうか。
さみしい
たまに考えるの。もし、別の世界軸があって、そこでママンと父親が結婚しなかったら。ママンが本当に好きな人と結ばれていたら。そしたら当然、わたしも晃ちゃんも生まれない。でも、ママンは自閉症や統合失調症で悩まなくて済んだのにって思う。
さみしい
いつかはわたしも1人で生きていかないといけないんだ。晃ちゃんとピッちゃん以外の宝物なんてきっと一生出来ない。わたしは、できれば晃ちゃんに週末は会いに行きたいし、美味しいもの食べさせてあげたい。衣替えもする。新しい洋服も買うよ。晃ちゃんが不自由なく過ごせるようにしたい。
さみしい
寿命が来るまでは暇つぶしみたいなものだね。親の介護とか、頑張るつもり。やっぱり施設に預けっぱなしにはしたくない。ママンの杖になりたいよ。家族でずっといられるのなら、わたしは一生何もなくていい小説も詩もなんにもなくていい。ただ、家族の形を守りたい。
さみしい
ママン、ありがとう。晃ちゃん、ありがとう。ピッピちゃん、ありがとう。もう力は残ってない。